国際司法裁判所(ICJ、オランダ・ハーグ)は19日、パレスチナ自治区ヨルダン川西岸地区などでのイスラエルの占領政策は国際法違反であり、「占領をできるだけ早く終結させなければならない」との勧告的意見を言い渡した。半世紀以上に及ぶ占領政策は国際法上認められないとの立場を明確に示した。ICJの勧告的意見に法的拘束力はなく、イスラエル側は強く反発しているが、イスラエルへの国際的な圧力はさらに強まるとみられる。
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ICJは勧告的意見で、入植地の拡大などの占領政策は「事実上の併合」とし、国際法違反と結論づけた。
イスラエルがパレスチナ人に課す移動や居住地区の制限が「人種、宗教、民族にもとづく制度的差別」と認定。人種差別の撤廃に関する国際規約などに反するとの見解を示した。
また、パレスチナ人は長期にわたって自己決定権を奪われていると指摘。イスラエルは国際法が定める「占領国として自決権を尊重する義務」に違反しているとした。
その上で、ICJは、イスラエルは新たな入植活動の停止や入植者の退去、占領地域で生じた損害への補償の義務を負うとした。また、各国にもイスラエルの違法な占領から生じる状況を合法的なものとして認めない義務があるとした。
イスラエルのネタニヤフ首相はSNSで「ユダヤ人は占領していない」と反発。「(ICJのある)ハーグのいかなる誤った決定も、こうした歴史的真実をゆがめることはない」とし、入植地は合法であると主張した。
昨年10月以降、強まる攻撃的な姿勢
1967年の第3次中東戦争…